安田学園中学校高等学校

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YASUDA NEWS

医学部大学説明会を開催しました!

場所: 本校オーディオホール

参加者: 高校2年生7名、高校1年生20名、中学3年生15名(計42名)

 

第一部(15:30~16:20)

駿台予備校の教務統括をお招きし、医学部に関する全般的な情報と受験対策についてご講演いただきました。医師としてのキャリアが長期にわたること、大学で学ぶ期間の重要性、そして専門医として活躍するためのさらなる研究姿勢についてお話がありました。特に最近は、命に関わらない科を志望する医師が増える一方で、「外科」「小児科」「産婦人科」などを志望しない医師が多い傾向にあるとお話がありました。自分がどのような医師を目指すのか、時代背景や医療現場からどのような人材や技術が求められているのか、学びの中で常に問い続ける必要があるようです。

近年では医師数の確保の観点から、医学部の増員が続いてきました。しかし、日本の人口推移を考慮すると、2060年頃には医師過多の時代に突入すると予想されています。いずれ定員減に転じる可能性があるため、いつそのような措置が取られても対応できるよう、早期の準備が必要だと強調されました。

 

現在は入学定員が増加したこともあり、センター試験時代に比べれば比較的入試難易度は下がっています。共通テストの得点率が80%あればチャンスは広がります(ただし、合格者平均は86%です)。また、近年は奨学金制度が充実しているほか、特定の地域で数年間医師として働くことを条件とした地域枠入試などもあり、医師になるための入学条件や環境は確実に整いつつあります。とはいえ、医学部入試には長期的な戦略と早期準備が必要不可欠であり、今後減員に転じる可能性を考えると、一層の早期対策が求められます。

 

医学部を受験するために、具体的に考慮すべき点は以下の通りです。

  ①推薦入試の増加と対策の重要性: 医学部入試では、滑り止めを考えるよりも、時期の早い推薦入試から検討するのが一般的です。そもそも医学部に「滑り止め」という概念は成立しにくいと言えます。

 ②私立一般受験の日程:  共通テストの数日後から始まるため、他学部に比べて日程に余裕がありません。早期の準備が必要です。

 ③国立後期試験の動向:  縮小傾向にあり難化しています。前期試験に集中し、立地も考慮して地方国公立大学も検討することで、さらにチャンスが広がります。

筆記試験だけでも、共通テスト、私立一般、国立記述対策とそれぞれ大きく対策方法が異なります。センター試験の頃は共通テストと私立一般にある程度の類似性がありましたが、現在はそれぞれ独立しており、3つの対策が必要だと強調されていました。

 

また、医学部入試において面接試験は非常に重要視されており、筆記試験よりも高い配点であることも珍しくありません(面接の実際や対策については、参加者限定で具体的な事例が数例スライドで紹介されました)。

 

結論として、医学部入試では特に早期対策がカギとなります。低学年で習った内容がそのまま入試で出題されることも多いため、今のうちから深い理解に努めること、そして誰もが解ける問題をミスなく解くことを意識してほしいと強調し、第一部は終了しました。情報量が多く、あっという間の50分間でした。

 

第二部(16:30~17:00)

本校を卒業した現役医学部生をお招きし、医学部に入学した経緯や現在の学びについてお話をいただきました。

 

国際医療福祉大学に通う先輩からは、授業のほとんどがオールイングリッシュであること、1年次から専門分野を学び始めるのが医学部の特徴であるとのお話がありました(実習も1年生から実施されているそうです)。特に印象的だったのは、医師として必要な医療倫理を学ぶ「医療プロフェッショナル」の授業です。具体的な事例をもとに、法律論や倫理上の問題点について、講義やディスカッションを年間で75時間実施したとのことでした。

 

横浜市立大学に通う先輩(当日は来校が難しく、メッセージを司会者が代読)からは、高校在学中に大切にすべきこととして以下の3点が挙げられました。

 多様な体験をすること:  体験が志望理由や面接で話す内容の核となります。

 本を読み、考えを知り、常識を身につけること:  知識を深め、多角的な視点を養う重要性を示唆しています。

 習慣を作ること:  ダラダラせずに計画的に物事をこなす習慣が大切です。大学では前向きで計画的な人が非常に多いとのことでした。


在校生からの質疑応答では、モチベーションの維持に関する話題が出ました。先輩は「先生に相談しに行く」ことが回復の秘訣だと話しました。元担任の司会者からも、「自分で気持ちのコントロールができていた様子で、困ったら相談に来ていた」と補足がありました。
会が終了した後も、しばらくは個別で質問にくる生徒が絶えず、先輩の体験を逃さず聞き出したいという熱意がうかがえました。

 

最後に、ご講演いただいた駿台教務統括の方、本講演をアシストしていただいた駿台営業担当の方、そして貴重なお話を届けてくださった卒業生のお二人に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。